Jul 16, 2021

Cartesian plane

MathsLinks
ここでの plane は飛行機ではなくて平面という意味です.2D(2次元)のグラフを描くのに xy-plane(xy平面)を使いますね.これは coordinate(座標)を使うので coordinate plane(座標平面)ともいいます.

日本では以上の2つの言い方が多いのですが,英書では1637年に著書「方法序説」で座標を考案した René Descartes(1596-1650)の名をとって Cartesian plane(デカルト平面)と呼ばれることが多いです。

なぜデカルトなのに,Cartesian(英語発音「カーティージャン」)と呼ぶのかというと,ラテン語名が Renatus Cartesius(レナトゥス・カルテシウス)というからなんです.日本語ではデカルトがよく使われているので,初めて Cartesian と聞くと誰のことだか分かりませんね.

2D以上の場合も含めると,Cartesian coordinate system(デカルト座標系)といい,orthogonal coordinate system(直交座標系)あるいはrectangular coordinate system(長方形座標系または矩形座標系)といういい方もあります.

[Quiz]
デカルトの著書『方法序説』(Discours de la méthode)の中の有名な言葉で,"I think, therefore I am." の日本語訳は何でしょう?

[Answer](この下の行をドラッグしてください)
我思う、ゆえに我あり

因みに,Cartesian product(デカルト積)または direct product(直積)という集合があります.これは,複数の集合から1つずつ要素をとりだしてできる組の集まりのことで,例えばA= {1, 2, 3}とB= {a, b}の Cartesian product A×Bは{(1, a), (1, b), (2, a), (2, b), (3, a), (3, b)}になります.

2Dの Cartesian plane の座標は,(2, 3)とか$(\sqrt{2},\pi)$とかの(実数,実数)の形で表されるので,実数の集合$\mathbb{R}$と$\mathbb{R}$の Cartesian product $\mathbb{R}×\mathbb{R}$の要素になります.

また,$y=2x+3$,$x^2+y^2=4$, $z=x^2+y^2$ などの,2Dならxとy,3Dならx, y, zを用いる関数の表し方を Cartesian equation(デカルト方程式) といいます.それに対するものとして,polar equation(極方程式)やvector equation(ベクトル方程式)などがあります.例えば,原点中心で半径3の円を表す polar equation $r=3$,vector equation $|\vec{p}|=3$ は,$\sqrt{x^2+y^2}=3$ より,Cartesian equation は $x^2+y^2=9$となります.

[Cartesian plane 問題]
Eliminate the parameter t to find a simplified Cartesian equation of the form.
(1)  $x=2-t$,$y=6-3t$
(2)  $x=\cosh t$,$y=\sinh t$
正解はこちら

[Reference]
MathsLinks

Jul 4, 2021

Hemisphere

Math Hemisphere Emoji Clip Art
半円のことを semicircle といいますね.Circle は円ですから,semi は半分という意味になります.他にも quadrant(4分の1円),three quarter circle(4分の3円)といういい方があります. 

Quadrantは「象限」の訳語だとばかり思っていたので,「4分の1円」という意味があるのは意外だったのですが,もっと意外だったのはもともと「四分儀」という天体の高度を観測するのに用いられた機器のことであって,quadrant が「象限」を意味するのは2次元平面上だけだということです.つまり,x軸とy軸で分かれる quad(4つの)領域だけが  quadrant と呼ばれるわけです.

また,3次元における「象限」は,x軸とy軸とz軸で分かれる oct(8個の)領域なので octant といい,これももともとの意味は「八分儀」(天体の高度や水平方向の角度を測るための道具)です.

なので,次元に関係なく「象限」は,quadrant でも octant でもなく,一般に orthant というのが正しいようです.従って,n次元空間には $2^n$個の orthant(象限)が存在するということになります.

さて, 半円のことを semicircle というので,半球は semisphere なのかと思ったら,hemisphere といいます.もともと semi はラテン語起源,hemi はギリシア語起源だそうですが,なぜこのような違いになったのか不思議ですね.

[Quiz]
北半球はNorthern hemisphere.では南半球は?

[Answer](この下の行をドラッグしてください)
Southern hemisphere

頭にsemiがつくものは他に,semiannual(年に2回),semifinal(準決勝)などがあります.また,hemiがつくものは,hemicylinder(円柱を縦に半分に切った雨どいのような形)があります.

因みに,demiもフランス語で半分の意味があり,tasseがコーヒーカップという意味なので,demitasse coffeeは小さいカップに入れたコーヒーのことをいいます.

そしてさらに,イギリス英語で quaver は音楽用語の8分音符,semiquaver は16分音符,demisemiquaver は32分音符,hemidemisemiquaver は64分音符という意味なんです.これは驚きですよね.

[Hemisphere 問題]
Calculate the spherical layer's volume that remains from the hemisphere after the v(=3) cm section is cut. The height of the hemisphere is r(=10) cm.     (Hemisphere Problems)