「等積変形」は日本の中学数学2の教科書に登場します.広い意味では,図形の面積を一定にしたまま形を変えることですが,ここでは特に三角形や平行四辺形で底辺の長さと高さを同じにしたまま,頂点や上辺を底辺に対して平行移動させることを意味しています.
[Quiz]
右図の三角形の面積は?
[Answer](この下の行をドラッグしてください)
2×5÷2=5
2×5÷2=5
用語や短文などの翻訳や説明を互いに助け合うサイト KudoZネットワーク で,「等積変形」という用語に関して,その回答がnative speakerや英語教育従事者などからいくつか寄せられていました.それだけ適切な訳語が見つからない用語のひとつということになります.
find another shape with the same areaisometric transformationsequal area transformationequivalent deformationshaving the shapeshear transformationcongruence transformation
これらのうちほぼ「等積変形」と訳して良さそうなものは始めの4つですが,実際,英語のサイトでこの用語を使って,ここでいう「等積変形」を説明しているのを見つけることができません.また,equivalent は「命題の同値(⇔)」,congruent は「図形/整数の合同(≡/≅)」の意味で使われるのが定番ですから,これらをさらに「等積」の英訳とするのは難しい気がします.
Shear(せん断)は,もともと「刈る」とか「ハサミで切る」という意味ですが,平面幾何では上の方法で図形を変形させるという意味があり,これは"Translation"で紹介した shear transformation(直訳は「せん断変換」)と同じ意味になっています.実際,この用語だけは,検索するとその意味の内容のものが見つかります.したがって,shear transformation こそ,少し意訳になりますが「等積変形」を英訳する用語として最も適切ではないでしょうか.
[Shear Transformation 問題]
図のように4点A=(1, 5),B=(-1, 3),C=(2, 1),D=(1, 0)と,底辺が$x$軸上にあって上辺が点Aを通る四角形EFGHがある,この折れ線で分けられている左右の部分の面積が変わらないように,点Aを通る直線で左右を分けるとき,この直線の方程式を求めよ.
正解はこちら
図のように4点A=(1, 5),B=(-1, 3),C=(2, 1),D=(1, 0)と,底辺が$x$軸上にあって上辺が点Aを通る四角形EFGHがある,この折れ線で分けられている左右の部分の面積が変わらないように,点Aを通る直線で左右を分けるとき,この直線の方程式を求めよ.
正解はこちら
[Reference]
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