Sep 20, 2015

Column ”One More Word”

GDC
Graphic Display Calculator(グラフ電卓)のことです.関数電卓にグラフを描く機能がついています.IB(international baccalaureate 国際バカロレア)が採用されている多くのinternational school をはじめ,世界中の学校で授業にも試験にも使われています.


expression
直訳すると「表現」になりますが,数学では「式」を意味します.式には numerical expression(数式),linear expression(一次式),proportional expression(比例式)などいろいろあります.algeraic expression(代数式)は,日本語の中高生のテキストでは「文字式」と表されています.等式はequality,方程式はequation,恒等式はidentity,公式はformulaと使い分けます.


elimination method
直訳すると「消去法」ですが,日本の中学数学の教科書の simultaneous equations(連立方程式)のところでは「加減法」にあたります.式を加減して一方の変数を消去するので addition and subtraction method ともいう場合もありますが,多くの場合は elimination method と呼ばれています.


a/b (division slash)
数学記号について定義している国際規格であるISO 80000-2:2009では,割り算の記号は$\frac{b}{a}$または$a/b$と表し,「記号 ÷ は使うべきではない」と書かれてあります.この記号を使っている国が少ないことがその理由です.他にも「使うべきではない」ものが4つあり,「避けるべきである」ことが13個もあります.


congruent
図形の「合同」(同じ形で同じ大きさ)という意味で使われますが,線分も図形のひとつなので線分が同じ長さであることも "congruent" といいます.日本語では2つの線分が「同じ長さ」であるということはあっても「合同」であるとはいいませんね.記号も≡を≅と書く場合があります.


altitude
標高,海抜,高度などという意味によく使われますが,図形では高さを意味します.高さはheightという場合が多いのですが,この用語もよく使われます.このようにどんなことも積極的に知ろうとするattitude(態度)が自然に出てくるのもひとつのaptitude(素質)といえますよね.



COP
constant of proportionality(比例定数)を略してこう呼びます.COPといえば,映画 "Beverly Hills Cop" のように「警察官」という意味もあるし,気候変動枠組条約とかラムサール条約などの加盟国の会議 Conference of the Parties(締約国会議)という意味もあります.比例定数も含めてすべて「コップ」と読みますが,前後の文章から意味はすぐに分かります.


vertical line test
変数xとyの関係で,ひとつのxに対してyがひとつだけ決まる場合,「yはxの(一価)関数である」といいます.座標平面上で,「x軸に垂直な直線を水平に移動させて,あるグラフと常に1回だけ交わるなら,yはxの関数である」と判断するためのテストです.


# (number sign)
米国では "number" を略してこの記号を使うことがよくあります.例えば "number of apples" と書くところを,"# of apples" のように書きます.なお,これはハッシュタグとも呼ばれていて,その方が有名ですね.因みに音楽の♯(sharp=半音上げる記号)は異なる記号なのですが,日本では電話機にある#(number sign)をシャープと読んでしまうことが多いですね.この電話機の記号#は,米国ではpound,英国系ではhashと呼ばれています.


∅ (null sign)
これは "empty set(空集合)" を表す記号ですが,ノルウェー語のアルファベット∅(近い発音はウォ)であり,ギリシャ文字のΦ(PHI)ではないのでファイとは読まずにウォと読むべきなんですが,あまり知られていないので empty set と読む方がいいでしょう.


AB‖CD (parallel symbol)
日本では普通AB∥CDのように平行を表す記号は2本の斜線を使いますが,縦2本でも同じことを表します.他にも,≒を$\approx$と書くなど,国際的に統一されていない記号がいくつかあります.



(  ) (parenthesis or bracket)
普通の丸括弧は,米国ではparenthesis(なぜかカタカナ表記では「パーレン」)といいます.英国系では bracket(カタカナ表記では「ブラケット」)といい,例えば (x+3)×4 をそのまま表すと Open parenthesis, x plus three, close parenthesis, times four になりますが,少し長くなるので「括弧」という言葉を使わずに,the quantity x plus three, times four(x+3という量に4を掛ける)と表現する場合があります.


PI (circle ratio)
円周率πをアルファベットでこう表します.どちらも読み方はパイです.同様に黄金比の値φもPHIと表すことがあります.小説 "The Da Vinci Code(ダ・ビンチ・コード)" の中で数学専攻の学生が "PHI is one H of a lot cooler than PI!" と発言する場面があります.日本語に翻訳された本のこの部分は誤訳ではないかと話題になりました.あなたならどう訳しますか?


400 gradeグラード)
時間を10進法にしようとした話がありましたが,これは角度を10進法にしようとしたもので,100 grade = 90°,すなわち 400 grade が 360°(周角)になります.360°は他にもいろいろな言い方があります.perigon,  round angle,  full angle,  complete angle,  1 turn,  2π radian,  τ radian.

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