●The Vanishing / Keepers(バニシング)2018年イギリス
無人島に灯台守としてやって来た3人の男の前に,金塊を大量に持った男とそれを追う男2人が現れ,金塊の争奪戦が起こります.
●The Vanishing(ザ・バニシング -消失-)1988年ドイツ
夫婦でオランダからフランスへ旅行に来たが,妻が突然いなくなり,夫が捜索するが見つからず,3年後に犯人から連絡が来ます.
●Live Like a Cop, Die Like a Man(バニシング)1976年イタリア
容疑者を次々に撃ち殺すので上司も手を焼いているという若い2人の刑事が,麻薬シンジケートの大ボスを追いかけます.
[Quiz]
新車を陸送する仕事の途中,スピード違反で警察に追いかけられても、ただひたすら車を走らせて逃げ続ける男を描いた1971年のアメリカ映画は何でしょう?
新車を陸送する仕事の途中,スピード違反で警察に追いかけられても、ただひたすら車を走らせて逃げ続ける男を描いた1971年のアメリカ映画は何でしょう?
[Answer](この下の行をドラッグしてください)
Vanishing Point
Vanishing Point
いずれも誰か,または何かがvanish(消失)する映画です.
さて前置きが長くなりましたが,数学で「消え失せる」なんていう意味の用語はあるのでしょうか.実は,値が0になることを vanish といいます.例えば関数$f(x)=(x-1)^2$は,$x=1$で$f(x)$の値が$0$ ($f(1)=0$) になりますから,このことを
the function $f(x)=(x-1)^2$ vanishes at $x=1$
と表します.単純に「$x=1$のとき$f(x)=0$」でいいんじゃないの?と思いますが,これも「少し気取った言い回し」(『数学版これを英語で言えますか?』保江邦夫著:講談社ブルーバックス)のひとつらしいので,こんな言い方も知っておいた方がよさそうです.
また,$x$が実数の時,関数$f(x)=\frac{1}{x^2+1}$は,$x$が大きくなるにつれて$f(x)$の値が0に近づきますが,このことを次のように言います.
the function $f(x)=\frac{1}{x^2+1}$ vanishes at infinity
さらに,vanish identically という場合がありますが,これはある時の値が$0$になるのではなく、恒等的に$0$に等しいということを意味しています.例えば,
$\sin ^2 \theta +\cos ^2 \theta -1$ vanishes identically
ということになります.
逆にどこも$0$にならない場合は、nonvanishingといい,例えば次のように表すことができます.
the values of $x^2+1$ are nonvanishing for real $x$
もちろん$x^2+1$は$x$が虚数の時にvanishすることがありますから,real $x$(実数の$x$)でないといけませんね.
因みに,3次式の因数分解をするには,factor theorem(因数定理)で因数をひとつ見つけた後,次の名前のついた2つの方法のいずれかですることができます.
① vanishing method$$\begin{align} x^3-19x-30 &= x^3+2x^2-2x^2-4x-15x-30\\ &= x^2(x+2)-2x(x+2)-15(x+2) \\&= (x+2)(x^2-2x-15)\\&= (x+2)(x^2+3x-5x-15)\\&= (x+2)\{x(x+3)-5(x+3)\}\\&= (x+2)(x+3)(x-5)\end{align}$$
② division method$$\begin{align} x^3-19x-30 &= (x+2)(x^2-2x-15)\\&= (x+2)(x+3)(x-5))\end{align}$$①は無理やり因数を作っていく感じがしますが,「因数」→「値が0になる」→「消失する」ということでこんな名前がついたのでしょう.②は日本の高校の教科書に載っているやり方で,はじめに見つけた因数で割り算をする方法です.
[Reference]
No comments:
Post a Comment