略語を集めたAbbreviations.comというサイトでDSTを調べると76個もの用語が掲載されていて,中には daylight saving time(夏時間)というなじみのあるものも見つけることができます.
DSTというと,Distanceの省略で「距離」という意味を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか.自動車や自転車の積算計などに表示されているのをよく目にします.それにtriangleがつくと「距離の三角形」となって何のことだか分からなくなってしまいますね.
確かにこの用語だけをいきなり聞くと分かりにくいですが,数学用語として図を見ればすぐにピンと来るのではないでしょうか.Distance, Speed and Timeの頭文字でDST,その3つの関係を表したのが DST triangle です.すなわち,次の Distance, speed and time formulae(公式)を表しています.
$$\mathrm{Distance}=\mathrm{Speed}×\mathrm{Time}$$$$\mathrm{Speed}=\frac{\mathrm{Distance}}{\mathrm{Time}}$$$$\mathrm{Time}=\frac{\mathrm{Distance}}{\mathrm{Speed}}$$
以前ここで紹介したSOHCAHTOAと同じように,DSTの関係を分かり易く覚えようという工夫から生まれたもので,"Magic Triangle for Speed, Distance and Time"と呼ばれることもあります.
さらにこの関係の他の覚え方として,"Dad’s silly triangle"というのがあります.訳すと「お父ちゃんのしょーもない三角形」みたいになって変な文章になりますが,これは「しょーもない」校則を生徒が「それってしょーもない決まりやなあ」 "That's a silly rule" という言い方のパロディ(おやじギャグみたいなもの)で覚えようというhumorが感じられます(笑).
$$\mathrm{Mass}=\mathrm{Density}×\mathrm{Volume}$$
$$\mathrm{Density}=\frac{\mathrm{Mass}}{\mathrm{Volume}}$$
$$\mathrm{Volume}=\frac{\mathrm{Mass}}{\mathrm{Density}}$$
日本の小中学校でよく登場する食塩水の濃度は,「質量パーセント濃度」といい,溶液全体の質量に対する溶質の質量の割合を表したものですが,MDVは「質量/体積パーセント濃度」といって,溶液全体の体積に対する溶質の質量の割合を表したものなので,混同しないようにしなければいけません.
日本にもDSTと同じような覚え方があって,みちのり(またはきょり),はやさ,じかんの1文字目をとって,「みはじ」(または「はじき」)を〇の中に書くというのが有名ですが,これをただ覚えるだけでそれぞれの関係の意味を分かっていなければ良くないという意見もよく耳にするところです.
因みに,他にも「くもわ」というのがあって,「く」は比べられる量、「も」はもとにする量,「わ」は割合を意味していて,「比べられる量」は「もとにする量×割合」で求めることを基本として,「みはじ」と同様に覚えようというわけです.
[Quiz]
Triangleの"tri"は "3" の意味,では"quad"の意味は?
Triangleの"tri"は "3" の意味,では"quad"の意味は?
[Answer](この下の行をドラッグしてください)
4
[DST triangle Question]
(1) How long will it take Simon to jog a distance of 15 miles if Simon jogs at a steady speed of 6mph.
(2) Make a round trip on the same road.Going 60 km/h, returning 20 km/h. Find the average speed.
[Reference]
Abbreviations.com
Maths Bitesize - The DST Triangle
パーセント濃度について
Using the Magic Triangle for Speed, Distance and Time
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