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Aug 15, 2016

Sum and Product of Roots


直訳すれば「根の和と積」という意味ですが,高校数学で登場する「二次方程式の解と係数の関係」のことです.これをn次方程式に一般化したものはVieta's formulas(ヴィエタの公式)といいますが,二次方程式の場合だけでもVieta's formulasと呼ぶ場合があります.

二次方程式の解と係数の関係は,2解をαβとすれば,ax2+bx+c=a(xα)(xβ)=a(x2(α+β)x+αβ)
の係数を比較して,α+β=ba,αβ=ca
となりますが,これがn次式方程式になると,n個の解をriで表せば,anxn+an1xn1++a1x+a0=an(xr1)(xr2)(xrn)
右辺を展開して,
anxnan(r1+r2++rn)xn1+an(r1r2+r1r3++rn1rn)xn2
++(1)nanr1r2rn

左辺と係数比較して,r1+r2++rn=an1an
r1r2+r1r3++rn1rn=an2an
r1r2rn=(1)na0an
となります.

似たような名前で,Viète's formula(ヴィエトの公式)というのがあります.これはπ(PI=円周率)を無限積表示する次の公式です.π=2n=12an
(ただし,anは次の漸化式を満たす数列 an+1=2+ana1=2

実はVietaとVièteは,フランスの数学者François Viète(1540–1603)のラテン語表記と仏語表記です.非常に珍しい例ですが,同一人物の名前がついているのに異なる公式になっています.同一人物なんだから同じ名前の表現を使いたいというときは,Vieta's root formulasとVieta's formula for PI,またはViète's lawsとViète's formulaと呼ぶ場合があります.

<Reference>
Vieta's formulas - Art of Problem Solving
https://www.artofproblemsolving.com/wiki/index.php?title=Vieta%27s_Formulas

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