①3組の辺がそれぞれ等しい(SSS=Side Side Side)
②2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい(SAS=Side Angle Side)
③1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい(ASA=Angle Side Angle)
加えて直角三角形の合同条件として以下の2つが述べられています.
④斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい(RHA=Right Triangle Hypotenuse Angle)
⑤斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい(RHS=Right Triangle Hypotenuse Side)
しかし,③を言いかえると「2組の角とその間の辺がそれぞれ等しい(ASA)」となり,④は「2組の角とその間にない対応する辺がそれぞれ等しい(AAS/SAA)」とすれば直角三角形でなくても言えるので,この③と④をまとめて「2組の角と1組の対応する辺がそれぞれ等しい(AAcorrS=A A corresponding S)」とした方がより広い範囲で三角形の合同条件を示したことになります.

従って,直角三角形の場合も含めて一般の三角形の合同条件は,
①3組の辺がそれぞれ等しい (SSS)
②2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい (SAS)
③④2組の角と1組の対応する辺がそれぞれ等しい(AAcorrS)
⑤直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい Hypotenuse Leg Theorem (HL or RHS)
の4つですべての場合が言えることになります.
因みに,日本の中学校の教科書では,三角形が一通りに決まる条件を図で考えさせて三角形の合同条件が導入されています.この理由として次の2つが考えられます.
1) ユークリッドの「原論」ではすべてが定理として証明されているが,その証明が非常に難しい.
2) 「現代数学の父」と呼ばれたドイツの数学者ヒルベルト(David Hilbert 1862-1943)が,ユークリッド幾何学を現代的に扱うために1899年に著した「幾何学基礎論(The Foundations of Geometry)」の中で,「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」を三角形の合同の公理(証明しなくても成り立つとして良い命題)としている.
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